空に虹を描くまで
「良かった」
ポロリと思わず本音が出た。
やっぱり、同い年の子が一緒にいてくれると話題もあがりやすいし、少し気が楽。
別に、おじさんと梓さんの3人でご飯を食べるのが嫌なわけではないけど。
そうこう話しをしている間に、梓さんが帰って来た。
「ただいまー!」
「お帰りなさい」
梓さんは冷蔵庫に2Lの水を2本詰め込んだ。
「ふー、重かった」
袖をまくり、手でパタパタと扇いだ。
それでも、まだまだ荷物はある。
どれだけ買い物したんだろう。
そんなに買うものがあるなら、やっぱり一緒に行くべきだったかな。
「またえらく大量だな」
おじさんがやって来て袋の中身の多さに驚いた。
「そうなの。こんなに買うつもりなかったのに」
「もし、隣に運ぶならわたし手伝いますよ」
「ありがとう。でも、この2人に運んでもらうから」
そう言うと梓さんは、スーパーの袋を一袋ずつおじさんと陵に持たせた。