メープル*パンケーキ【2巻】*Happiness story*
「……あらあら。」
この時、楓さんの態度にイラつきを隠せず、ついムキになってしまい冴木君の視線に気付けずに居た…。
「夏音ちゃん、夏音ちゃん!…幾斗が…幾斗がもう帰りたそうだから行ってあげて!」
『え…?あっ、はい!』
ふと冴木君の方を見ると不機嫌そうに眉を上げ口角は下がり気味。目付きも鋭くなっているようで……?
『…完全にイジけてますね…。』
「え?そうなの?怒ってるんじゃなくて?」
『怒ってないですよ。だって目が合ったら目付き優しくなりました♪…ちょっと行ってきますね。』
私がその場を離れた直後、藤枝さん達が交わしていた会話を知るよしもなく、冴木君が立つカウンターへと向かう。