奏でるものは~第1部~


卒業式の朝。

両親と一緒に校門をくぐった。

幼稚園から通ったこの学園に在校生としてここに登校するのも今日が最後になった。

楽しかったことも、悔しかったこともたくさんの色んな思い出がある。

教室に行くと、それぞれの机に紙袋と卒業祝いの菓子と書類が置いてあった。

すでに担任も来ていて、笑顔で迎えていた。


「机においてある造花はブレザーの胸ポケットにつけて」

ガヤガヤした教室でも、いつもと違うちょっとした緊張感がある。

歌織、西田さん、とクラス内外の友達から呼ばれ、プレゼントをもらったり、記念写真を撮る。


最後と分かっていても、またね、と手を振る。


きっとどこかで会えるよね。





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