奏でるものは~第3部~
放課後
「自転車大丈夫なの?」
少し心配そうな春菜だが、心配ばかりかけたくなかった。
「電動だから、大丈夫。コンビニ行くなら送ってくよ?」
「じゃ、お願いしようかな」
コンビニに着くと、優さんたちが店の中にいるのが見えた。
胸がギュッと締め付けられたけど、会って喋ることが怖かった。
「今日は急ぐから、これで。
じゃ、また明日ね」
「そっか、じゃあ、またね」
自転車でコンビニの敷地から出ようとした時、優さんが走り出てきた。
「歌織、待てよ」
家の近所の道で騒ぐわけにも行かず、自転車を停める。
優さんの顔を見る。
困ったような顔になっている。