奏でるものは~第3部~
美味しそうなラーメンを見て
「これくらいなら作れるかも」
思ったことを言った。
「歌織は作らなくていい」
「作らなくていいの?」
「色々心配するからいい」
「……どういう意味?」
優さんがニヤっと笑いながら
「手を切らないか、とか、焦がしてないか、とか?」
「もしかしたら、料理人としての才能があるかもしれないよ?」
「あー、俺ががんばる方がいい」
ひど~い、と二人で笑いあった。
食べるとやっぱり美味しい。
「おいしい、優さん天才。またつくってね」
「教えるよりいいな」
私って全く期待されてないな。
まあ、作れないのに見栄張るより楽でいいけど。
「ご馳走さま、洗い物するよ?」
「あ、いいよ。機械が洗ってくれるから」
と、食洗機にお皿を入れた。
「ボタン押す!」
とスタートのボタンだけ押させてもらった。