奏でるものは~第3部~
そして、もうすぐ3年生になる優さん。
進路は大学進学みたいだけど、このままここにいるのか、将来はどうするのか、聞いてみたいような、聞きたくないような気もする。
遠くの大学に行くのか。
もしかしたら将来は起業するとか、如月コーポレーションに就職するとは、限らない。
どんな未来を思い描いているのだろう。
私は、その時どう思うのだろう。
でも、私には私の道がある。
誰にも影響されない。
優さんが決めたことに、異論を唱えることはできないし、私の道をそらすこともない。
今を大切に。
一緒にいられるこの時間を大切にする。
今、そしてこれからも流れるこの一瞬を、優さんを信じて、大切にする時間を積み重ねれば、きっと後悔のない歩む道があるはず。
だから、いつも、素直に生きていくだけ。
優さんの顔を見つめて、何かの答えを出していた。