奏でるものは~第3部~
「ごめん。本当にごめん
俺はあの日、唯歌に会ってた。
ごめん、申し訳ない」
目を見張る。どういう意味?
優さんたちも膝をついた。
何か言いかけた龍くんも言葉を詰まらせる。
「……功さん、あなたの名前は?」
「長谷野功介」
姉の最後の言葉とつけていた指輪。
「功さんは姉と付き合ってた?」
頷く功さん
「そして、あの日も会ってた?」
「ちゃんと送ってやれば良かった。
歌織ちゃんごめん」
優さんと功さんの前に行く。
「あなたに罪はないわ」
風が巻き上がる。
「姉に話しかけてやって?」