奏でるものは~第3部~
私の隣に優さんが立ち、手を合わせている功さんを見つめた。
昌さんが
「ごめん、歌織ちゃんが来てると思わなかった」
とぼそっと言う。
「みんなを連れて来てくれてありがとう。姉も喜んでるわ」
功さんが顔をあげ立ち上がり、墓碑をみて、優しくさすっている。
キラリと光るものが見えた。
―――あれって……!
功さんに走り寄って見てみると、指輪だった。
膝をつき、ポケットから指輪を出して並べる。
ペアリングだった。
「これ……」
「唯歌の指輪、あったんだ?
ありがとう」
二人で並んで指輪をみていた。