奏でるものは~第3部~
「ごめん、ありがとう」
功さんの言葉に首を振る。
「向こうに広場になってるところがあるわ。話を聞かせてくれる?」
俯いて、また、手を合わせた功さんの横で立ち上がり、指輪を二つ手に取り、ジャケットのポケットに入れた。
お姉ちゃん、また来るからね
やっと伝えられるよ、お姉ちゃんの気持ち。
優しい風が吹いて、私は優さんたちのところに戻った。
姉の事故で心を痛めてた人が身近にいた。
きっと姉が会わせてくれたのだろう。
しばらくして、功さんも来てみんなで姉の墓をみてから、歩き出した。