奏でるものは~第3部~
仏壇の前でボーッとする。
発表会の前に練習以外で疲れたの初めてだよ、優さんに会わなくて良かった。
と姉に話しかけて、お茶を飲み、練習に、向かった。
翌日は久しぶりに自転車で春菜とコンビニに向かう。
自転車は軽くても、冷たい風は容赦なく、防寒具で覆っていない顔に刺してくる。
久しぶりに、優さんに会えた。
3日ぶりとは言え、久しぶりに感じる。
隣に立つだけで、嬉しくなって顔がほころぶ。
「なんか久しぶり?」
「龍くんにもみんなにも、久しぶりな感じがする」
「今日はゆっくり?」
昌さんが聞いてきた。
「ううん。
今日はこれで、もう帰るわ、また明日」
コンビニを出るとき、優さんも送って出てくれた。
「しばらくゆっくり会えないの。
また、連絡するね」
「頑張れよ」
おでこをピンと押される。
笑いながら手を振り、今日も急いで自転車をこぐ。
ちょっと元気もらったよ、ありがとう。
心の中で優さんに話しかけながら、稽古のため師匠の家に向かった。