奏でるものは~第3部~
「姉は功さんのこと……コウスケって呼んでた?」
功さんが驚いて顔をあげ「ああ」と言った。
「あなたに姉からの言葉があるの。
姉はあなたに伝えたかったのね。
私もずっと伝えたかった。
今、ここで言っていい?」
功さんを見て言った。
沈黙が広がる。
全員が功さんを見ていた。
「向こうで……
俺だけが聞いてもいいか?」
「ああ」「聞いてこいよ」
私と功さんは席を立って、広場の隅に行った。