奏でるものは~第3部~


「姉が事故にあったこと」

話始めるとそれぞれ考えるような表情をしていたみんなの顔があがる。

「いつ知ったの?」

「昌が次の日に知らせてくれた。
どうやら、事故があって亡くなったのは唯歌みたいだ、って」


龍くんが、答えた。



「それを聞いて、唯歌の家の近く駅まで行ったら喪服の人を見かけて、怖くて聞けなかった。
俺のせいだと、何も考えられなくなったんだ」


そう言いながら俯いていた。


「あの日、家で事故の連絡を警察から受けたのはわたしなの。
サイタユイカさんの家族ですかって言われて驚いたわ。

病院に行ったら、もう、手だてが無かったみたいで、治療はしてなかった。

姉のそばに行ったら、姉が私をみて、言ったの」


言葉に詰まる。




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