奏でるものは~第4部 最終章~
1月の半ば、明良さんの結婚式の日。
優人さんの婚約者として、親族に紹介してもらい、親族として出席する。
長時間の披露宴になる為、披露宴が行われるホテルに泊まる予定にしていた。
用意してくれた部屋は、優人さんと一緒にしてくれていた。
「同じ部屋?」
「みたいだな」
「一応結婚前なのに、いいのかな?」
「いいんじゃね?」
確かに最近は二人でゆっくり会うことは少ない。
打ち合わせに誰かがいたり、お互いの家で相談することが多かった。
二人で一晩いることが、久しぶりだった。
チャペルでの式は親族と友人だけの参列だったが、披露宴は、招待客がかなりの人数で、確かにこれが2回も続いたら嫌だな、と思い、会社関係の人や親族にも二人で挨拶に回った。