私に触れて、そして殺して
三吉さんとの生活が始まった
「ちゃんと鍵をかけてね」
『はい、…いってらっしゃい』
「…、いってきます」
何から何までしてくれて
私の心配までしてくれる
だから私ができることをしようと
朝、ご飯は食べないから寝てていいよ、と
言ってくれた三吉さんを玄関先で見送る
誰かをいってらっしゃい、と見送るなんて
思いもよらなかった
結婚や同棲なんて考えたことがなかった
だから新鮮で少し恥ずかしくもなる
それにつられてか
三吉さんも恥ずかしそうに行ってしまった
閉まったドアの施錠をした
三吉さんが帰ってくるまで
私はこの部屋で過ごす
お昼過ぎには
昨日注文しておいた食材が届く