君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
そういえば、舞台以外で男性とこんなに近くで接することってなかったな。

なんて、妙に冷静に振り返ってしまったせいで、さらにカナトを意識してしまう。
私って本当に、男性に対しての耐性がないんだな。

今動いたら起こしてしまう。
でもこれ以上は私の心臓が持ちそうにない!

起きてくれないかなーとじっと見ていると、瞼がゆっくりと開いた。

あ…。目を覚ました。

寝起きの、少しあどけなさの残る瞳に捉えられる。

「神楽弥…。良かった、夢じゃなかった。

って、…わ、ごめん!
重かったよね」

「えっ、ううん。
大丈夫、です」

慌てるカナトを見ると、私も慌ててしまう。
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