君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
このことは、私にとっても、そしてカナトにとっても予想外だった。

城へ戻ると、慌ただしく国王の待つ部屋へと連れていかれた。

何事かと不安に思っていると、国王お付きの人が説明してくれた。

その人の話によると、祭りの開催のために町の人達が動いていることが、すぐに城へ伝わったらしい。
そして、なぜ精霊祭をやることになったのかを探ったところ、私に行き着いたという。

城の中枢部にとって、町が活気を取り戻すということは、思っていた以上にリンタールを守る手立てになると考えているよう。
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