君に捧ぐは、王冠を賭けた愛。
カナトも神楽弥も、1人で勝手に突っ走るところがある。
それを近くで見せられると、守るべきだと思うのは俺の性なのかもしれない。

遺伝子レベルでその行動パターンが刻み込まれているんだから仕方ない。

今頃カナトは、あの隣国のとんでも王子と火花散らしてるってところか。

そんな所を神楽弥が見たら、どう思うんだろう。

あのとんでも王子は、歌でどうこうできるほど、清らかな心の持ち主だとも思えない。

何事も起こらないといいけど。
さっきから嫌な予感がするんだよな。

今この王国には、それぞれの企みを持った奴らが大勢集まってる。

俺も好きに動いてはいられない。
常に周りに目を向けてないと、少しの変化が悲劇に繋がりかねないからな。
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