音を紡ぐ

別れ

新学期。


桜舞う季節がまた来た。


でも、私はここから動けない。


病気は進んで、4月、みんなが3年生になる頃私はベッドの上。


外には1人では行けない。


手には点滴がずっと付けられている。


変わらないのは、


「有紗!!昴と同じクラス!!てか、皆同じクラス!」


「良かったね。また楽しくなるんじゃない?」


朱里たちは変わらず会いに来てくれる。


それだけで本当に嬉しい。


「ベッド起こしてもらっていい?座りたい。」


「分かった。」


ベッド起こしてもらうのも誰かにやってもらわないといけない。


「あれ?斗季は?」


「ん?もう少しで来るよ。明日だもんね。最終選考。」


「・・・・・うん。」


斗季達は二次試験も突破したのだ。


あの時は病院で大騒ぎして看護師さんに怒られたけど。


でも、本当に嬉しかった。
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