音を紡ぐ
そしていよいよ明日が最終選考。


「やぁ、有紗・・・・・俺、緊張で死んでしまうわ。医院長先生のとこ行ってこよかな。」


樹哉がお腹を抑えながら中に入ってくる。


「そんなに緊張しなくても、演奏して、質問されたら答えればいいんだよ。」


さらっと答える昴に樹哉が襲いかかる。


「だから!!それが緊張するねんて!!なんで昴は普通なん?」


「普通じゃないよ。昴朝からトイレ行きまくってるし。」


朱里がしれーっと答えると昴はばれたかという顔をした。


そりゃみんなそうだよね。


あのオーディションの最終選考だもん。


「あれ?斗季は?」


「「「トイレから出てこない。」」」


「斗季君が1番緊張しとるよなー。」


「緊張なんてしてないよ!」


大きな声で斗季が言った。


「斗季大丈夫?トイレもういいの?」


私がそう言うとちょっと顔を赤くした。


「なんで有紗に言うの!!恥ずかしい///// 」
< 184 / 203 >

この作品をシェア

pagetop