音を紡ぐ
教室を出ようとすると、後ろから腕を引かれた。


「有紗!ごめんね、回れなくて。」


朱里が申し訳なさそうに謝る。


「ううん。大丈夫!朱里頑張ってね。応援してるからさ!」


そう言うと昴君に呼ばれた朱里はまた教室に戻って行った。


「お待たせ!行こっか。」


そう言うと斗季はパンフレットを開じて私を見た。


「俺、行きたいとこあるんだけどいい?絶対楽しいから!」


そう言って私の手を繋ぐと歩き出す。


急に手を繋がれてびっくりした私は顔が赤くなってしまった。


斗季にばれないように下を向いて斗季の後ろを歩く。

< 21 / 203 >

この作品をシェア

pagetop