100点テストの祈り鶴
「よっし、でーきた!」
数分もしない間に折りあげたのは、花の折り紙だった。
「わ、すごい」
私はあまり手先が器用でないため、どうやって折っているのかさっぱり分からないけれど、ちゃんと花だと分かるもので感動すら覚えた。
「ってことで、20個目の願掛け完成」
嬉しそうにしながらまた私の机に吊るす。
キリの良い数字に達成したのが嬉しいのか、ニコニコとしながら作った鶴達を手に触れていく。
「――……俺ねー、50個行くまでに勇気を出そうと思ってたんだけど、花村さんと一緒に20個達成出来たの感動したから今勇気出すね」
何の脈絡もなく、他愛もない話をするかの如く言葉を落としていく。
「そもそも50個も満点とれなかっただろうし、臆病すぎた願掛けなんだけどね」
落ちる言葉1個1個を逃さない様に拾い集めて、抱きしめる。
彼の言葉はいつだって私を引っ張ってくれていた。
「花村さん、俺と友達からでいいので付き合ってください」