冷血部長のとろ甘な愛情
「なあ、今までどこにいたんだ?」

「どこだろうとあなたには関係ないですよ」

「誰としてきた? 彼氏?」

「っつ……そういう質問はやめてください。本当に関係ないですよね?」


何をしてきたかを見透かされて恥ずかしくなり、睨んだ。


「ふうん。そんなふうに隠そうとするのは知られたら困る相手だろ? まあ、どうでもいいけど」

「もう酔いはさめたんですか?」

「二次会では飲まなかったからな。それよりさ……」

「な、なに……っ……」


頬の赤みが消え、少し虚ろげだった目は鋭い目に戻っていた。

私が押したことで微かに開いていた距離をまた縮めてきたかと思ったら、唇が重なる。重なったのは一瞬ですぐ離れたが確かにキスされたことに私の手は震えた。

この男、殴りたい。

だけど、他の乗客がいる中で事を荒立てる気はない。こんなところで注目を浴びたくはない。

だから、見下ろしてくる顔を下から再度睨んで小さい声で抗議する。


「な、なんでするのよ」

「ん? ちょっと困らせたくなってね」

「は? なにそれ……」
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