冷血部長のとろ甘な愛情
なにがいいだろ?と言うのか……離れようと後ずさるけど、後ろは壁で追い詰められている状態になっていた。

薄暗い場所なのに、接近されているからか部長の顔がくっきりと浮かび上がる。

あいかわらず整った顔しているけど、こんな顔に騙されないんだから。


「は、離れて……っつ! ん……」


離すために押そうして部長の胸に手を置いた瞬間、唇が塞がれた。

何でまたキスを?

しかも今までされた短いキスではなく、今回は長い。重なったままで微かに角度を変えて私の唇をこじ開けようとする。

頑なに結んでいたのに、ぐいっと強く舌をねじり込ませてきた。

強引に入り込んできた舌は私の舌に触れる。

熱い舌……でも!そんなことを感じている場合ではない。理性を頑張って取り戻し、その舌を噛んだ。


「っつ! いたっ! 何するんだよ」

「それはこっちのセリフ。何でまたキスするんですか?」

「舌を味わいたかったから」

「ふざけないで!」


躊躇することなく思いっきり部長の胸を押した。目を見開いてよろけた部長にとどめの一発をあげる。
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