冷血部長のとろ甘な愛情
断ったはずなのに断りきれなかった。終わってからでいいと言うのを拒めない。私の都合を優先してくれていると思うと、頑なに断ることが出来ない。

坂本くんとはスムーズに終わらせることが出来るはずだから、指定された時間に遅れることはないだろう。



坂本くんといつものように居酒屋で生ビールを頼んでから、料理を頼んだ。

まずはジョッキを合わせて「お疲れさま」と乾杯。


「文具フェアも無事終わったし、少し楽になったでしょ? とりあえずもうすぐ出るボーナスが楽しみだよね」

「まだ報告書が途中だけど、楽にはなったかな。ボーナスか……夏鈴さんは何か買うとか決めてる?」

「んー、新しいカバンが欲しいなとは思ってるけどね。坂本くんは?」

「旅行かな」


坂本くんは彼女と北海道旅行を計画しているらしい。彼女との仲は変わりなく順調のようだ。彼女は彼氏が他の女とセックスしているなんて思ってもいないだろう。

きっと彼女の前でも坂本くんは真面目だと思う。だから、坂本くんは他の女に体だけとは言え、目移りしてはいけない。
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