初雪の恋

 いつもの様に左手に名簿を持って入ってくるエリちゃん。名字が、襟崎なのでみんなエリちゃんと呼んでいる。今年40才の凄く優しい男の先生。


 「おはよう。今日から、新学期が始まる。いつまでも、夏休み気分でいるなよ。」


 その後出席確認をすると、突然。


 「今日から新しくクラスメートが増える事になった。」


 『えー!!』


 教室に響くクラスメートの声に先生は名簿で黒板を叩いて静かにさせる。


 やっと静かになった所で、おそらく廊下にいると思われる、人物に声を掛けると、みんなその扉に視線を向けた。


 ゆっくりと開かれる扉にみんなは釘付け。


 転入生が入って来た瞬間に、今度は女子の黄色い声が響く。


 『きゃー!!』


 先生と男子は呆れていた。
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