初雪の恋

プレゼント


 「じゃあ、明日俺が作ってくる、英・数・国のテストで、全部80点以上だったら、クリスマスは休み。俺が、紗姫を好きな所に連れて行く。」


 思いがけない海斗さんの提案に私は、

 「やったー。私水族館に行きたい。」

 もしかしたら、クリスマスが休みになるかもしれないこと、海斗さんと遊べることで舞い上がった。


 次の日


 「英語90、国語95、数字78。」

 数字が、約束の点数に満たなかった。

 目に見て分かる私の落ち込み方に、隣で採点していた海斗さんは、苦笑いを浮かべている。


 せっかく、海斗さんと遊びに行けるチャンスだったのに…。


 「まあ今回は、簡単なケアミスだったから、約束通りクリスマス、水族館に連れて行ってやるよ」

 「ありがとう。絶対約束だからね。」

 約束を破られないように、海斗さんの前に小指を出す。


 「えっ?」
 「指切り。」


 「指切りげんまん、嘘付いたら、針千本飲ます!!指切った。」

 私と海斗さんは指切りをして、約束した。
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