初雪の恋

 「できた~!」


 私は恐る恐る、海斗さんに答えを言う

 「X=3、Y=-5。」


 答えを待つ間はドキドキする。


 「正解。やれば、出来るじゃん紗姫。」


 最近の私は海斗さんに誉められたくて、勉強を頑張っている。海斗さんに出逢う前の自分が、嘘のように、毎日心にゆとりができた。


 「今日夜の23時位に家出れそう?0時ちょうどに、お参りしょう。」


 夜中に出歩いたことがないので、少しワクワクする。


 「ちゃんと親に許可もらえよ。」


 「別にいらないよお父さんの許可なんて。」


 お父さんも昨日から、仕事はお休みで、下で年越しの準備をしていた。手伝うと言ったけど、受験生だからと、断れた。だから、仕方なく勉強をしていた。


 「別によくない。やっぱ紗姫の親には気にいられたいし。」


 その言葉で、私を大切に思っていることが、伝わった。
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