初雪の恋

 海斗さんの背中に手を廻して、抱きついた。


 「今日で、今年の勉強は、最後。年明けは、4日からな。ちゃんと、お正月もしっかり勉強しろよ。」


 そう、今日は29日。海斗さんは、一人暮らしだから、お正月は、実家に帰るらしい。


 淋しい…。シュンとなる私。


 抱きしめている腕に力を強めた。


 「1日には、帰って来るから、一緒に初詣に行こう。」




 今日は31日。海斗さんは、実家に帰省の為、私は一人で勉強中だった。


 「う~ん。なんで、答えがあわないの!!」


 只今、数字の問題と格闘すること、早1時間。どうしても、一問解けない問題に途方にくれていた。


 すると、ベッドの上の携帯が鳴った。見ないでも誰かわかる。 


 「海斗さん~。」

 電話の相手海斗さんに泣きついた。


 「海斗さん~どうしても、解けない問題が~。」


 私の声を聞いた海斗さんは、電話の向こうでクスクス笑っていた。


 「いきなり、電話で、泣きながらゆうから、紗姫になにかあったかと思った。」


 「で、どの問題?」


 私は、海斗さんに問題を言うと、解き方を教えてくれる。

 海斗さんは、絶対答えは、教えてくれない。どんなことがあっても、解き方だけ。後は自分で考えるしかなかった。
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