初雪の恋

初雪の次の日


 その日の夜、私は一睡もする事が出来なかった。


 朝、顔を洗いに洗面所に向かう。鏡に映る自分の顔は、明らかに、寝不足の顔をしていた。


目の下には、クマが出来ている。さっと顔を洗い、クマを隠すように、メイクをした。


 それから、朝食を作りにリビングに行くと、ソファーに座って新聞を読んでいるお父さんの姿が見た。


 よく2人でいると兄妹に間違えられたりするくらい、私達は仲がいい。


 「おはよ。お父さん。すぐ、ご飯にするから。」


 「おはよ紗姫。」読んでいた新聞から顔をあげて、挨拶をする。


 いつも、仕事が忙しいお父さんの帰りは、日付が変わってから、帰って来るのが当たり前。


 昔は顔を合わせない日がよくあったが、お母さんが死んでから、我が家に一つのルールができた。


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