初雪の恋

 心結は泣き続ける私にずっと、大丈夫。大丈夫と囁きつづけていた。


 少し落ち着きを取り戻す。


 「ごめん心結。帰ろう。」


 泣きはらした顔で、私は無理に笑顔を作る。


 「紗姫、今日家に泊まりなよ。」


 急に家に行くのは、迷惑ではないのかと思っていると、


 「そんな顔で、家に帰ると、紗姫パパが心配するよ。」


 確かに今の私の顔はひどかった。それに今1人になると、また泣いてしまいそうで、私は心結に甘えることにした。


 立ち上がって、心結の家の車に向かうと、運転席には、心結のお兄さんの心(しん)くんが、座っていた。


 
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