強がり女の唯一の男
「うん。 ぜ~んぜん、全く未練無い。 あんなに不安だったのに・・・」
「は?」
「えっと、安達君とは仕事で協力し合ってたし、お互いに大変なことも解りあえてたから・・・」
今は別々の仕事だけれど。
「バカ男と離れることは不安だったんだ?」
「ん・・・そうかな?」
「でも、今は不安なんて無いってことだよな?」
「うん! 安達君とは仕事上での付き合いは続くけど、私生活では公平と一緒じゃなきゃって心底思ってる」
「やっぱ、バカ男とは頻繁に会うんだよな?」
「何? やきもち?」
「・・・そう」
仏頂面の公平に笑ってしまう。
「ふふふっ 公平って可愛い」
「うるせっ」
「なぁ、小雪」
「ん?」
「抱くのは、もっと先でもいいけどさ」
「・・・何?」
「キスくらいしてもいい?」
え・・・そんなこと訊かないで欲しいんだけど。
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