強がり女の唯一の男
そう思いながら月曜日出社した。
安達君と目が合うと、安達君は思いっきり驚いた顔をして、視線を泳がせる。

そんな安達君の態度を見て、イライラする気持ちで仕事をこなすと、やはり入力ミスが多くて、自分で自分が嫌になってくる。

お昼休みになると、安達君は私のことを待ち伏せていた。
「あ、あの、池上・・・その・・・」
私を直視できないのか視線がウロウロしている安達君に溜息が出る。
私は何も言わずに社食へと向かう。
安達君は私の後ろをついてきているようだ。

私の向かいに座った安達君は、
「飲み会の日は、ごめん」
ごめん? 何よそれ? 浮気したこと謝ってるの!? こんな所で?
怒りがこみ上げるけど、こんな所で修羅場を演じる気は無い。
急いで うどんを食べきって私はトイレへと駆け込む。

その後、安達君からの連絡は無かった。
もしかしたら、今日の夜にでも話し合おうとメールがあるかもと思ったけど、全く来なかった。
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