強がり女の唯一の男
末席に座り、乾杯が終わり私は席を立つ。
気合を入れて安達さんに声をかけ、そのまま安達さんの隣にストンと腰を下ろした。
「安達さんはお酒強いんですか?」
「いや、そうでもないから自重しないと・・・」
と苦笑する安達さん。
「でも、全然顔色変わってませんよ?」
「そうかな?」
自分の頬を撫でる仕草にキュンとくる。
その頬に私も触れたいです!
それから、私の存在を知って居てくれたと分かりとても嬉しかった。
「いつも三村さんを昼休みに迎えに来てるから」
「はい。 ほぼ毎日一緒にランチしてます」
「社食で会ったことあったかな?」
「安達さんは社食派ですか?」
「そうだね」
そうなんだ・・・『いつか一緒に』なんて軽々しく言うのは軽い人と思われそうで言えなかった。
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