強がり女の唯一の男
当たり障りのない話を少しして、私は核心に迫る質問をした。
「安達さんはお休みの日は何をされてるんですか?」
もしかしたら、彼女とデートという答えがあるかもしれない。
「う~ん・・・えっと・・・特に何も」
「何も?」
「あ~、うん。 ゆっくり起きて掃除したり洗濯したり?」
「え!? そうなんですか!?」
「おかしいよね? ははっ よく考えたら結構寂しい人生かもな~」
と苦笑する安達さんを見て、安達さんにお付き合いされている女性は居ないのだと私は確信した。
「今度、映画でも一緒に観に行きませんか?」
私は勇気を出して言ったのに、安達さんは、
「気を使わせちゃったね。 ありがとう」
と苦笑するだけだった・・・本気にしてもらえなかったんだ。と切なくなった。
それとも女の方から誘うなんて・・・と軽蔑されてしまったのだろうか。
< 141 / 159 >

この作品をシェア

pagetop