強がり女の唯一の男
その後、安達さんはどんどんグラスを空にした。
その度 私が御酌をした・・・。 
お酒にあまり強く無いと言っていたけど大丈夫なの?と思いながら。
しばらくすると、テーブルに突っ伏してしまった安達さん。
「あの、大丈夫ですか?」
私が声をかけた時、すっかり出来上がった様に
「だいじょ~ぶ、だいじょ~ぶ」
と笑った。
「でも・・・あの、もう帰ります? 私、送りましょうか?」
と言うと、安達さんは私の耳元で、
「それって俺を誘ってる?」
と言った。 心臓がドキリと跳ねる・・・。
ふにゃりとした笑顔。 もう目が開いていない感じ・・・可愛い。 そんな風に思った。
「安達さん、先にお店を出ていてください」
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