強がり女の唯一の男
会費制だったので、幹事をしてくれた人へ支払いは済んでいる。
私は佐和ちゃんに声をかけた。
「安達さんすごく酔っちゃってるからタクシーで送って帰るね」
その言葉が嘘になるのか本当になるのかは安達さん次第。
私の送るという言葉を誘っていると判断されても構わなかった。
安達さんがその誘いを受けてくれるなら私は・・・安達さんについて行く。
佐和ちゃんは私の耳元で「送り狼になっちゃう?」なんてからかってきたから、「まさか!」と強く否定して店を出た。
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