強がり女の唯一の男
それから月日は経って、私は仕事を任せられる機会に恵まれた。
とても張り切って仕事に打ち込んだ。

仕事帰り。
「お、小雪!」
改札を出ると 坂口 公平 が居た。
「ああ、公平。 公平も今 帰り?」
「おう。 どうだ、ちょっと飲んで行かないか?」
「そうだね。 公平と飲むの久々だね~」
と、私は軽くO.Kした。

公平は家が近所の幼馴染。
保育園から中学まで同じところに通った仲。
高校は、私が女子高に進学したので同じでは無かったし、大学も別々だったけれど、大学のサークルが偶然同じだった。
中学までは男女という垣根を超えてよく遊んでいた仲。
高校生の時は道で会えば少し話をする程度の関係になった時期もあったけど、大学受験の頃には息抜きと言っては一緒に出かけたりした。
気を使わない公平との関係は、私にとっては気楽で安心できるものだった。
・・・そういえば、私が女子高に進学すると決めた時、公平はかなり反対していたっけ。

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