強がり女の唯一の男

「じゃあ、きちんと考えろよ。　小雪が好きだと思えて、その人が小雪を大事にしてくれるなら、いいと思うけどな？」
「うん・・・公平、ありがと」
「何が？」
「なんか、背中押してもらったから・・・」
「ん？」
「・・・私って、鈍いのかな？　相手の気持ち全然気づけなくて、驚いたんだ。　だけど、断って気まずくなるのは嫌だって思った」
小雪は間違いなく鈍いよ。
俺の気持ちだって気づきもしないんだから。
「そっか、もう気持ち決まってんだな？」
驚いた顔で目を見開いた後、小雪はゆっくりと頷いた。
「そっか・・・私、本当はもう結論出てたんだ」
「ぷっ　自分で分かって無かったのかよ！？」
「・・・だって、彼氏とか久々だし」
「大事にしてもらえよ！」

その日から、俺はまた小雪が幸せになる事をただ見守ろうと決めた。
小雪の幸せがその人の隣だと言うのなら、俺は全力で小雪とその人がいつまでも幸せであることを願うよ。