強がり女の唯一の男
6話
家に帰り、両親に帰宅の挨拶だけして部屋へと入った。

安達君に電話しようと携帯を手に取ると不在着信を知らせるランプかチカチカと光っていた。
安達君から?と思い、確認すると、私が電車に乗っている時間帯から何度も安達君からの着信があった。
ずっとマナーモードのままだったから着信に気づかなかった。
私は思いきって安達君に電話をかけた。
「池上!?」
慌てたように安達君が電話に出た。
「何度も電話くれたんだね」
「ああ、何してたんだ?」
「え? 公平と飲んでたけど・・・携帯マナーのままだったの」
「公平と飲んでって?・・・坂口さんと一緒だったんだ!?」
不機嫌そうな安達君の声。
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