強がり女の唯一の男
公平と二人で飲んだ時など私は後日 安達君に報告していた。
やましい事はないけれど、隠されるのは嫌だろうと思っていたから。
・・・安達君はいつもは「そうなんだ。 仲イイね?」と笑ってくれていた。
私と安達君だって、付き合う前から二人きりで飲みに行っていた仲だ。
私がそういう友達づきあいが平気なタイプだと知っているのだから、変な勘違いはされていないと思っていた。
だけど、実際は公平と安達君以外に二人きりで飲みに出かけるなんてしたことが無い事実に気づく。
私は信頼できる人、または好意のある人でなければ二人きりになるなんて出来ないタイプなのだと思う。
「そんな事より、安達君 私に何か言いたいことあるんじゃないの?」
「そんな事!? 俺とは全然会わないのに坂口さんとは会ってたって事を、そんな事で済ますのか!?」
興奮したように話す安達君を、意外だな。と思った。
「公平にやきもち? そんな態度 今まで取ったこと無いのに、どうしたの?
自分が浮気したからって私も浮気したと思った?」
「えっ!?」
安達君は本当に驚いている様だった。
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