強がり女の唯一の男
9話
「そんな事は・・・無い」
「でも、相手の人から誘われたって言いたい?」
「ああ・・・」
なんとなく投げやりに態度の様な気がした。
「もうどうでもいい事だよ。 私は安達君がその人を抱いたって事実だけで十分別れる理由になるから」
「池上!!!」
「何を聞いても結論は変わらないから・・・」
「そう言うなよ」
呟きの様に安達君は言う。
「相手の女性に誠意を見せて・・・そんな風にその人を悪く言うなんて男として最低よ」
「・・・」
「2年近く付き合ってきた男がそんな最低な下衆野郎だったなんて思わせないで」
私が冷たく言い放つと
「そこまで言うのか?」
と怒ったような声で安達君は言った。
「ええ」
こんな事を言えてしまう所が、公平が私を 強がるのもたいがいにしろ。って言う所なんだと思う。
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