強がり女の唯一の男
「池上だって、幼馴染だかなんだか知らないけど男と二人で飲みに行く様な尻軽のくせに!」
はっ!? 何、急に!?
「尻軽!? 変な事言わないでよ!」
さっき私が浮気できる様な人じゃ無いって認めてくれてたのに!?
「幼馴染にいい顔して、自分に気があることを確かめては女王様気分を味わってたんだろ!?」
「何が?」
「坂口さんは池上を好きなんだろ? それに気づいていながら気づかないフリをしてたんだろ?」
「なんで・・・?」
長い付き合いだけど、さっき初めて公平の気持ちを聞いたのに、どうして安達君がそんな事言うの?
「池上が坂口さんを相手にしてないから気にしない様にしてきた。 だけど、心の底ではいつだって坂口さんに嫉妬していた!」
「え・・・?」
「彼氏である俺とは名字呼びなのに 坂口さんとは馴れ馴れしく名前で呼び合ったり、二人で飲みに行ったり・・・男に対して軽いなって思ってた」
安達君と名前で呼び合わなかったのは、安達君の事を会社でも名前で呼んでしまうかも?と思ったから。
いくらお付き合いを隠していなくても、公私混同していると思われたくはなかった。
それに、付き合う前に安達君とだって飲みに行っていたのに。
私を軽い なんて思ってたんだ。
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