強がり女の唯一の男
それに、安達君からの話の流れではきちんと私では無い女性を抱いた自覚がある様に言っていた。
酔った勢い、後悔なんて言葉が出ていたもの。
私だと思っていたなら、そんな事は言わないと思う。
「私は安達さんが池上さんに未練があるのだと思ってショックだったんです。　だけど、池上さんからの電話でお二人がまだ付き合っているって・・・私、池上さんが憎くて・・・あんな事したんです」
「そう」
「随分冷静ですね・・・私が憎くないんですか？」
「憎いとは思ってないわ」
「どうしてですか？」
「私は安達君に好意がある貴女が安達君に抱かれたいと思うことを否定しないわ」
「え？」
「そう思う事は貴女の自由よ」
「・・・？」
「貴女が憎いとは思わないけど、浮気をした安達君への信用はもう欠片も無いの」
「え・・・別れたんですか！？」
「ええ、聞いてない？」
「聞いてません！！！　安達さんは池上さんが好きだって、だから私には本当に申し訳ないけど付き合うことはできないって、二度もハッキリ言われました」
「・・・私、他に好きな人が居るのよ」
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