俺様社長と強引で甘々な結婚
お見合いは、お相手の方が私に合わせてくれると言ってくれたので、田舎ではなくて、こっちのホテルの個室のカフェで会うことになっている。

叔母さんは田舎から出てくることに文句を言っていたけれど宿泊費や交通費、挙げ句、食事代やこっちでの娯楽費までもをお相手の方が負担してくれると言われて、手のひらを返すように大喜びしていた。

『いやぁ本当にあの人は、いい人だよ。理央、私に感謝するんだよ。あんないい人を紹介してやるんだから』

数日前までは、どうしてそっちまで行かなきゃいけないとブツブツと文句ばかり言っていたのに。

携帯を手にするけれど、社長からの連絡は無い。やっぱりか、と落胆したけれど、そうも言っていられない。と待ち合わせ場所まで向かった。

「理央、こちらお相手の大杉三郎(おおすぎさぶろう)さん。大杉さん、こちらお相手の宮崎理央でうちの姪っ子です」

いや、ちょっと待って。
頭を整理したい。

私がタクシーに乗って、ホテルの個室のカフェに到着すると、着物姿の叔母さんと、隣に座るスーツ姿の一人の男性を見つけた。

私の視線に気がついた叔母さんに、手招きで呼ばれ、二人が座る席まで向かう。
この人が、お見合い相手かと思ったのも束の間、気づいてしまった。

ダサいメガネを掛けて、長い前髪で目は隠れているけれど、少しだけ上がった口角で気がついてしまった。

口角が上がっただけで気がつくほど、よく見ていた自分にも驚きだけれど、間違いない!
この人は、社長だ。
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