EGOIST
cause a hammer
入り組んだ細い道を男達は走る。
どこからともなく近づいてくる足音から逃げるために。
眼前には枝分かれした人と人がすれ違うのがやっとな細い道。
それを右へ左へと曲がりながら尚も男達は走り続ける。
彼らには今自分達がどこにいるのか、どこへ向かっているのか分からない。
それでもただ、どこからか迫ってくる恐怖から逃げられればなんでもよかった。
と、それまで壁が迫ってきていた視界が開けた。
そこは円状の広場のような場所だった。
そこを取り囲むのはコンクリートやレンガでできた建物の壁。
そこから彼ら来た道とは違う道がいくつか伸びている。
男達はそこでいったん足を止めた。
どのくらい時間が経過したかは定かではないが走り続けたせいで酸欠寸前だ。
足りぬ酸素を取り込もうと肩で息をし、額を濡らす汗を拭う。
と、その時どこからか足音が近づいてくる。
ゆっくりと歩いてくるようなその足音に、男達の顔が引きつる。
あたりを見回しながらいつでも走り出せる準備をする。
大丈夫、道がこれだけあるのだ。
自分達は逃げられる。
そう思っていてもぬぐい切れぬ恐怖を男達は感じていた。
どこからともなく近づいてくる足音から逃げるために。
眼前には枝分かれした人と人がすれ違うのがやっとな細い道。
それを右へ左へと曲がりながら尚も男達は走り続ける。
彼らには今自分達がどこにいるのか、どこへ向かっているのか分からない。
それでもただ、どこからか迫ってくる恐怖から逃げられればなんでもよかった。
と、それまで壁が迫ってきていた視界が開けた。
そこは円状の広場のような場所だった。
そこを取り囲むのはコンクリートやレンガでできた建物の壁。
そこから彼ら来た道とは違う道がいくつか伸びている。
男達はそこでいったん足を止めた。
どのくらい時間が経過したかは定かではないが走り続けたせいで酸欠寸前だ。
足りぬ酸素を取り込もうと肩で息をし、額を濡らす汗を拭う。
と、その時どこからか足音が近づいてくる。
ゆっくりと歩いてくるようなその足音に、男達の顔が引きつる。
あたりを見回しながらいつでも走り出せる準備をする。
大丈夫、道がこれだけあるのだ。
自分達は逃げられる。
そう思っていてもぬぐい切れぬ恐怖を男達は感じていた。
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