EGOIST
ファイルの一番上に載せられた写真は気弱そうな女が写っている。
名はマーシャ・スキナーと書いてある。
「いやぁ、苦労した。さすが財閥の令嬢なだけある。居場所はなかなか出てこねぇんだもんよ」
イアンが肩を竦めた。
現在、マーシャは病院の精神科に入院している、と書かれている。
「愛した男が犯罪者だと知りながら愛し続け、そんな男が逮捕、死刑確定したことで精神を病んだ、ってとこかね」
「さぁ、どうでしょう。そこは何とも言えませんが、しかし、彼女があの男を愛していた、というのは本当でしょう。あの男が彼女を愛していたかは、知る由もありませんが」
言いながらファイルを見るエレンの目に、ふとある部分に止まる。
「彼女、7年前に産婦人科にかかっていますが、子供は?」
「死産らしい。もしかしたらそれが原因で精神科へってのもあり得るな」
うーん、とイアンは唸る。
「で、どうする気だ?」
「正直、気は引けますが、彼女に会ってみようと思います」
「話せるかどうかわからないぜ?」
「それでも、何か見つかる可能性もあります。行ってみて損はないでしょう。このファイル、こっちに送っておいてください」
「はいよ。まぁ、お前がそれでいいなら止めないけどさ」
名はマーシャ・スキナーと書いてある。
「いやぁ、苦労した。さすが財閥の令嬢なだけある。居場所はなかなか出てこねぇんだもんよ」
イアンが肩を竦めた。
現在、マーシャは病院の精神科に入院している、と書かれている。
「愛した男が犯罪者だと知りながら愛し続け、そんな男が逮捕、死刑確定したことで精神を病んだ、ってとこかね」
「さぁ、どうでしょう。そこは何とも言えませんが、しかし、彼女があの男を愛していた、というのは本当でしょう。あの男が彼女を愛していたかは、知る由もありませんが」
言いながらファイルを見るエレンの目に、ふとある部分に止まる。
「彼女、7年前に産婦人科にかかっていますが、子供は?」
「死産らしい。もしかしたらそれが原因で精神科へってのもあり得るな」
うーん、とイアンは唸る。
「で、どうする気だ?」
「正直、気は引けますが、彼女に会ってみようと思います」
「話せるかどうかわからないぜ?」
「それでも、何か見つかる可能性もあります。行ってみて損はないでしょう。このファイル、こっちに送っておいてください」
「はいよ。まぁ、お前がそれでいいなら止めないけどさ」