EGOIST
「あの子達は優秀だ。我が子ながら鼻が高い。他にもいくつか試してはいるのだけれど、成功例はあの子達だけなんだ。同じ遺伝子を持っているはずなのに、いったい何が違うんだろうね」
「………そうか、今回は外から得るのではなく、自分で産み出したんですね」

エレンが眉間に皺をよせ、そう口にすると、フィランダーは嬉しそうに笑う。

「ご名答!やはり君は優秀だ。前回は外から被験体を得ようとしたからばれてしまったけれど、自分で作りだせばその心配はないだろう?とはいえ、君にはばれてしまったわけだけど」

残念そうに言うフィランダーだが、その声音に反して顔は楽しげに笑っている。

「相変わらずの狂人ぶりですね」
「お褒めに預かり光栄だね………と、すまないね、君との話をもう少し楽しみたいのだけれど、どうやらここまでのようだ。私はこれでお暇しよう。君の世話はあの子達にお願いしたから何かあれば言うといい」

それでは失礼するよ、と言い残し、男は鼻歌を歌いながら去っていった。
その足音が完全に聞こえなくなったところでエレンは溜息をついた。

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