EGOIST
金髪の少女の言葉に対し、エレンは特に表情を変えることなくあっさりと言い返した。
その脳内には、わずか10歳でありながら自身より年上の外見を持つ弟の姿がよぎる。

金髪の少女は何かを言おうとして、やめた。
エレンには、何を言ってもたやすく返される。
そんな気がして、思わず次の言葉を口にすることを躊躇った。

「あ、あの」

それまで黙っていた黒髪の少女が口を開いた。
エレンがそちらに視線を向けると、少女はヒクリと肩をはねさせた。

「わたしも、質問しても、いいですか?」

恐る恐る、というように少女は口を開いた。

「どうぞ」

そうエレンが言うと、躊躇いながら少女は口を開いた。

「あの人は、わたし達のことを、何か言ってましたか?」

そんな少女の問いに、エレンは目を瞬かせた。
まさか、そんなことを聞かれるとは思っていなかった。

「あ、あの…………」
「あぁ、すみません。少し驚いたもので」

エレンは正直にそう言った。

まさかの質問内容だったが、別段隠すことでもなかろうとエレンは口を開いた。

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