EGOIST

「あの男の行動が正しいと思ったから？マーシャ・スキナーを人質にでも取られましたか？それとも、何の目的もないからここにいるだけですか？」

3人が口を開く隙を与えず言葉を続ける。
3人の気配が最後の言葉にかすかに揺れたのを、エレンは見逃さなかった。

「何の目的もなく、ただ強いだけであの2人に勝とうなんて思ってます？あぁ、ギルバートはおそらく来ないでしょうからダンテだけになりますが、今の貴方方ではダンテ1人にすら勝てるか怪しい」
「なんですって？」

エレンの言葉に、金髪の少女が眉間に皺を寄せた。

「貴方方にはきっと分からないでしょうね。この狭い世界しか知らない、貴方方には。空っぽのまま勝てるほど、単純でもないし脆くもない」
「それ以前に、あの男がここに来るかも怪しいだろ」

苛立ちを隠さず、黒髪の少年が言った。

「いいえ、ダンテはここへ来てしまうでしょう」
「来てしまう………？なんだか、来てほしくないって言ってるみたい」

黒髪の少女が不思議そうに首を傾げた。

「えぇ、来てほしくはありませんね」