EGOIST
2人の攻撃が明らかに勢いが変わった。
だが、ダンテはそれも難なく交わして見せた。
それがさらに2人の怒りを助長させているようだ。

コロシテシマエ

ふいに、頭の中に声が聞こえてきた。

コロシテシマエ
コワシテシマエ
ナニモカモ

「黙れよ幻聴。テメェの言う事なんざ、誰が聞くか」

ダンテはそうつぶやいた。
2人にはどうやらそのつぶやきは届いていなかったらしい。
元々聞かせるつもりなどないので滅にかまわないのだが。

ダンテはちらりと金髪の少女のほうを確認する。
明らかに焦りの色が顔に見える。

「ま、でもそろそろ反撃と行きますか、ね!」

ぐっと足に力を入れ、跳び上がる。
そのまま2人の頭上を通過し、背後に着地。

2人が振り返る前に素早く煙幕を使う。

「くそ、また!」

忌々し気に少年が声を上げている。

ダンテはグローブに仕込んでいたワイヤーを引き出す。
ダンテが腕を振ると10本のワイヤーが伸び、2人の体を締め上げた。

「このっ」
「こんなワイヤー簡単に切れるんだか「させるわけないでしょ」

ワイヤーを引きちぎろうとした2人の背後にダンテが音もなく近づいた。
そしてその首筋に何かを押し付ける。
まもなくして2人は倒れた。

「何、を」
「体が、動かない」
「ま、ちょっとした麻酔みたいなもんだ。大丈夫。2時間が立てばすぐ切れるだろ」

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